語彙・読む力
なぜ辞書を引かずに読むのか
多読では辞書を引かない、とよく言われます。ところが Randoku は、単語をタップすればその場で意味が出るようにできています。矛盾しているようで、そうではありません。

この記事のポイント
- 避けたいのは辞書ではなく、読書が止まること
- 単語は、調べた回数より出会った回数で決まる
- 止まる目安は「話の筋が追えているか」だけ
「引かない」が避けたいのは、辞書ではない
「多読では辞書を引かない」とよく言われます。ところが Randoku は、わからない単語をタップすればその場で意味が出るようにできています。言っていることと作っているものが、逆に見えるかもしれません。
多読で避けたいのは、辞書を使うことではありません。読むのをやめてしまうことです。
手を止めると、組み立てかけた意味が崩れる
英文を読んでいるあいだ、頭の中では文の意味が少しずつ組み立てられています。主語をつかみ、動詞を待ち、その先に続くものを予想する。この組み立ては、途中で手を止めると崩れてしまいます。
単語をひとつ調べて戻ったら、その文をまた頭から読み直していた。そんな経験はないでしょうか。このとき失われているのは、調べていた時間だけではありません。組み立てかけていた意味も、いっしょに消えています。
辞書の側にも事情があります。ひとつの単語には、たいてい複数の意味が並んでいます。その中から正しいものを選ぶには、結局その文が何の話なのかが分かっていなければなりません。
話の筋が見えないまま意味の一覧を眺めても、選びようがないのです。先に話の流れをつかんで、それから単語を見る。この順のほうが早く片づきます。
単語は「調べた回数」より「出会った回数」
そして、いちばん大きな理由があります。単語は、一度ていねいに調べれば覚えられるというものではありません。別の文章で、別の使われ方で、同じ単語に何度も出会ううちに、少しずつ意味の輪郭がはっきりしてきます。
一度ていねいに調べることよりも、何度も出会うことのほうが効きます。辞書を引くたびに読む量が減っていくとしたら、その出会いの回数を自分で減らしていることになります。
推測しながら読み進めること自体にも、意味があります。前後から見当をつけておいて、読み進めた先で実際の使われ方に出会い、答え合わせをする。
こうして自分で当てにいった単語は、はじめから正解を見せられた単語よりよく残ります。見当が外れていたときほど、はっきり覚えているはずです。推測しながら読むこと自体が、読む力の練習になっています。
「知っている」ことと、「読みながら意味が浮かぶ」ことも別です。少し考えれば思い出せる単語では、読んでいる最中には間に合いません。文を追いながら自然に意味が浮かぶところまで持っていくのは、調べる作業ではなく、読んだ量です。
では、どこで止まるのか
とはいえ、わからないものを全部そのままにして進めばいい、という話でもありません。目安はひとつだけで足ります。話の筋が追えているかどうかです。
- 追えているなら、知らない単語があっても先へ進んでかまいません。
- 追えなくなったら、そこで初めて止まります。このとき見るのは単語ではなく、その文です。
単語ひとつの意味が分かっても、文全体がつながらないことはよくあります。そういうときは、文ごと確かめたほうが早く済みます。
だから、タップで意味が出る
Randoku が単語をタップするだけで意味を出しているのは、この原則を守るためです。アプリを離れて検索し、また戻ってくる。その往復がなくなれば、意味を確かめても読書は途切れません。
多読が避けたかったのは読書の中断であって、意味を知ること自体ではなかったのです。
調べた単語がそのまま単語帳に貯まるのも、同じ考え方からです。読んでいる最中に「これは覚えるべきか」と迷わずに済みます。その判断は、読み終わってからでも間に合います。読んでいるあいだは、話の筋を追うことだけに集中できます。
あとから選べるなら、読んでいるあいだは選ばなくて大丈夫です。本当に自分に必要な単語は、何度も出てくるうちに自然と目立ってきます。その場で全部を拾おうとしないほうが、結果として手元に残る単語は増えていきます。
まずは1本、読んでみてください。
アプリでの操作は 使い方ガイドの 単語を調べる・単語帳・フラッシュカード にあります。
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